歯と口の基礎知識

知らずに飲んでない?歯に悪い飲み物の特徴とは?

知らずに飲んでない?歯に悪い飲み物の特徴とは?

知らずに習慣化している“歯に悪い飲み物”とは?

コーヒーや紅茶、ジュース、エナジードリンク……。
日常的に口にする飲み物の中には、知らず知らずのうちに歯にダメージを与えてしまうものがあります。

虫歯や歯の着色、酸蝕症(酸による歯の表面の溶解)などの原因になることもあるため、飲み物選びはとても重要です。

なぜ飲み物で歯が悪くなるの?

なぜ飲み物で歯が悪くなるの?

飲み物が歯に与える影響は、主に次の3点に集約されます。

酸性度の高さ
→ 酸性の飲み物は、歯の表面(エナメル質)を溶かしやすく、酸蝕症のリスクを高めます。

糖分の多さ
→ 糖分が多いと、口内の細菌が歯垢をつくりやすくなり、虫歯の原因になります。

色素の強さ
→ 濃い色の飲み物は、歯の着色を引き起こし、黄ばみやくすみの原因になります。

その結果、虫歯や着色だけでなく、知覚過敏や歯の表面のダメージにもつながってしまいます。

歯に悪い飲み物の特徴は?見極めポイントまとめ

歯に悪い飲み物の特徴

以下のような特徴を持つ飲み物は、注意が必要です。

pHが5.5以下の酸性飲料(炭酸飲料・スポーツドリンクなど)
→ 歯のエナメル質は、pH5.5以下で溶けやすくなります。酸性度の高い飲み物は、長時間口内に残さないようにしましょう。

糖分が多く含まれるもの(ジュース、加糖コーヒーなど)
→ 砂糖は口内細菌のエサになり、歯垢を増やして虫歯を進行させます。

濃い色素を含むもの(コーヒー、紅茶、赤ワインなど)
→ 色素が歯の表面に付着して、着色汚れの原因になります。

長時間ちびちび飲むタイプ(ペットボトルを持ち歩くなど)
→ 口の中が酸性に傾いた状態が長引き、歯に悪影響を与えます。

栄養ドリンクやエナジードリンク
→ 糖分と酸のダブルパンチで、エナメル質へのダメージが特に強くなります。

歯に悪い飲み物の共通点は、「酸」「糖」「着色」「持続時間」。この4つがそろうほど、歯にはダメージが大きくなります。飲み物を選ぶ際には、ラベルの成分表示や飲み方の工夫を意識することが大切です。

飲み方を変えるだけでも歯は守れる!工夫のポイント

ストローを使って歯に直接触れないようにする
→ とくに酸性や着色飲料を飲むときには効果的です。

ダラダラ飲まない
→ 飲みきったあとはすぐに水を飲んで、口の中の酸を中和しましょう。

飲んだあとは30分ほど経ってから歯磨きをする
→ 酸性の飲み物の後すぐに歯磨きをすると、柔らかくなったエナメル質を傷つける可能性があります。

水やお茶など歯にやさしい飲み物を選ぶ
→ 常に酸性飲料ではなく、バランスを意識して飲みましょう。

解説:
「○○を絶対に飲んではいけない」わけではありません。大事なのは頻度と飲み方。賢い工夫で、好きな飲み物とも上手に付き合っていけます。

こんな症状に注意!飲み物が原因かも?

「歯に悪い飲み物を飲み続けていたかも…」と思ったとき、まずチェックしたいのが“口の中に出ているサイン”です。以下のような症状がある方は、飲み物の習慣を見直すきっかけになるかもしれません。

気をつけたいサイン一覧

歯の表面がツルツルではなくザラザラしている
→ 酸性の飲み物でエナメル質が溶け始めている可能性があります。

冷たいものや甘いものがしみる
→ エナメル質が薄くなり、象牙質が露出して知覚過敏を引き起こしているかもしれません。

歯の色が黄ばんで見える
→ 色素の濃い飲み物(コーヒー、紅茶など)による着色汚れの可能性があります。

歯と歯ぐきの境目に白っぽいスジがある
→ 初期虫歯(脱灰)が始まっているサイン。糖分の多い飲み物が関係しているかもしれません。

歯の先端が透けて見える
→ 酸によって歯が溶け始めている「酸蝕症」の典型的な症状です。

飲み物が静かに歯をむしばむサインを見逃さないで!

こうした症状は、「歯が痛む」「歯ぐきが腫れる」といった急性のものではなく、じわじわ進行する静かな変化です。とくに日常的に酸性飲料や加糖飲料を摂っている方は、知らず知らずのうちにダメージが蓄積していることも。

違和感や軽い異変に気づいたときこそ、歯科での健診を受けるタイミングです。早期に対応すれば、歯を守る選択ができます。

“これを飲んでるけど大丈夫?”患者さんのよくある質問

毎日コーヒーを飲むけど、やめた方がいい?

無糖にして、飲んだ後に水を口に含む習慣をつければOK!

スポーツドリンクって体に良さそうだけど?

運動後などに限定して飲むなら大丈夫。日常的な水分補給には不向きです。

紅茶の着色が気になる…

レモンティーよりもミルクティーの方が着色しにくい、という工夫もあります。

まとめ

今日からできる歯にやさしい飲み方を!

飲み物選びや飲み方の工夫次第で、歯の健康を大きく守ることができます。特に以下の点を意識してみましょう。

  1. 飲み物の酸性度や糖分、色素をチェック
  2. ストローや水でのうがいなど、飲み方を工夫
  3. 食後や飲食後30分以降にやさしく歯磨き
  4. 歯科での定期的な健診も忘れずに!

歯にやさしい選択を少しずつ取り入れて、健やかな笑顔をキープしていきましょう!

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科
院長 竹田 亮

2007年 国立長崎大学歯学部卒業。

▶プロフィールを見る

梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック