審美歯科

審美歯科は機能性と見た目のどちらが重視される?

審美歯科は機能性と見た目のどちらが重視される?

梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 竹田 亮

審美歯科では機能性と見た目、どちらが重要視されるのか?

審美歯科では「見た目」と「機能性」の両立が重視されます。
見た目の美しさを追求しながらも、しっかり噛める・長持ちするという機能的な側面を無視してしまうと、結局トラブルや再治療につながることがあります。そのため、審美歯科では「美しさ」と「機能性」のバランスを取ることが欠かせません。

この記事はこんな方に向いています

  • 審美歯科に興味はあるけれど、「見た目だけを優先するのは不安」と感じている方
  • 被せ物や詰め物の治療で、審美性と機能性のどちらを重視すべきか迷っている方
  • 長持ちして快適に使える治療を選びたいと考えている方

この記事を読むとわかること

  1. 審美歯科で「機能性」と「見た目」がどのように扱われているか
  2. それぞれを優先した場合に起こりやすいトラブルやリスク
  3. 機能性と見た目を両立させるための治療選びのポイント
  4. 実際の治療例や歯科医院での判断基準

 

審美歯科では「見た目と機能性の両立」が結論

審美歯科は「見た目の美しさ」に特化した分野と誤解されがちですが、実際には機能性を犠牲にすることなく治療することが基本方針です。どちらか一方に偏ると、見た目が整っても噛めない、あるいは噛めても不自然に見えるといった問題が出やすくなります。そのため、審美歯科では「美しさ」と「機能性」のバランスが常に意識されています。

審美歯科の本質は「見た目と機能性の両立」です。

なぜ「見た目だけ」「機能性だけ」では問題が起きるのか?

歯は食事や会話に欠かせない器官であると同時に、笑顔の印象を大きく左右します。そのため、見た目だけを整えても「噛めない・外れやすい」などの不具合が生じると生活の質は下がります。逆に機能性だけを優先すると、歯の色や形が自然でなく、対人関係に影響することもあります。

片方だけを優先すると生活面での満足度が下がります。

機能性を無視して見た目を優先した場合のトラブルは?

白くて美しい被せ物を入れても、噛み合わせを無視すると以下のような問題が起こりやすくなります。

  1. 噛み合わせの不具合
    → 正しく噛めないことで顎関節症や肩こりの原因になることがあります。
  2. 歯や被せ物の破損
    → 力が一点に集中してしまうと被せ物が割れたり、自分の歯が欠けるリスクがあります。
  3. 長持ちしない
    → 適合が悪いと隙間から歯垢が入り、虫歯や歯周病の再発につながります。

見た目だけを優先すると、噛み合わせや耐久性に問題が出ます。

審美的に満足しても、再治療が必要になれば結果的に費用や時間の負担が大きくなります。そのため、機能性を無視することは長期的に見て大きなリスクです。

見た目を無視して機能性だけを重視した場合の問題は?

機能的に噛める被せ物や詰め物であっても、審美性を軽視すると以下のような問題が起こります。

  1. 金属色が目立つ
    → 笑った時に銀歯が見えると、口元の印象が老けて見えることがあります。
  2. 不自然な形態
    → 形が合っていないと、話す時に違和感があり、笑顔がぎこちなくなります。
  3. 自信の低下
    → 人前で話すときに口元を隠すようになり、心理的ストレスがかかります。

機能性だけを追求すると、見た目に自信を持てなくなることがあります。

歯は「健康」と「印象」の両面に影響を与えるため、見た目を軽視すると社会生活での満足度が低下します。

審美歯科で両立を実現するための具体的な方法は?

審美歯科では以下のような工夫で「見た目」と「機能性」を両立させます。

  1. セラミック素材の活用
    → 天然歯に近い色調と耐久性を持つ。
  2. 噛み合わせ分析
    → 専用の機器で力のバランスを調整。
  3. 歯周組織との調和
    → 歯茎のラインを整え、自然な見た目に仕上げる。

素材や設計に工夫することで両立が可能です。

見た目と機能性を両立させるためには、素材の選び方だけでなく、歯科医師の技術力や治療計画の立て方も重要です。

審美歯科における機能性と見た目の比較

観点 機能性を優先した場合 見た目を優先した場合 機能性と見た目を両立した場合
噛み合わせ 正しく調整されやすいが、見た目が劣ることも 噛み合わせが崩れやすく、不調につながる場合あり 噛み合わせも整い、自然な口元が得られる
耐久性 長持ちしやすいが、金属色が目立つなど審美性に欠ける セラミックなどで美しいが、強度や設計次第で破損リスクあり 素材や設計を工夫することで耐久性も美しさも確保できる
見た目の印象 銀歯や不自然な形で審美性に不満が残る 白く自然に見えるが、機能性に問題が出やすい 自然な歯に近い色・形で笑顔に自信が持てる
心理的満足度 健康面では安心だが、審美的な不満が残る 見た目は満足でも、噛めない不安がつきまとう 見た目も機能も満足でき、長期的に安心できる

この表を見ると、機能性だけ・見た目だけを優先すると、それぞれにデメリットが出ることが分かります。両立させることで初めて「噛める安心感」と「自然な笑顔」を同時に得られるのが審美歯科の大きな特徴です。

患者さんが治療前に確認すべきことは?

患者さん自身が納得して治療を受けるためには、次の点を確認しておくことが大切です。

  1. 治療の目的は何か?
    → 「見た目を優先したいのか」「機能性を優先したいのか」を明確にする。
  2. 使用する素材の特徴は?
    → セラミック・金属・ジルコニアなどの違いを理解する。
  3. 将来的なリスクは?
    → 耐久性や再治療の可能性を聞いておく。

治療前に「目的・素材・リスク」を確認しましょう。

治療のゴールを共有することで、歯科医師と患者さんの間でミスマッチを防ぎ、満足度の高い結果につながります。

まとめ

美しさと機能性の両方を大切にするのが審美歯科

審美歯科において「機能性と見た目」のどちらが重要かと問われれば、答えは「どちらも同じくらい大切」です。一方を犠牲にするとトラブルや満足度の低下につながるため、両立が基本です。そのためには、歯科医師とよく相談し、自分の希望を明確に伝えることが重要です。

審美歯科のゴールは「見た目と機能性の両立」です。

「審美歯科=見た目だけの治療」というイメージは誤解です。審美歯科は「美しさ」と「噛める機能」を両方満たすことを目標にしています。患者さんの要望やライフスタイルに合わせて治療計画を立てることで、見た目にも機能にも満足できる結果を得ることができます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科
院長 竹田 亮

2007年 国立長崎大学歯学部卒業。

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梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック