梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 竹田 亮

「インプラント治療は、どのような順番で進むのでしょうか?」

一般的なインプラント治療は、相談・検査→治療計画→必要な事前治療→インプラント埋入手術→骨との結合を待つ期間→人工歯の作製・装着→メインテナンス、という流れで進みます。

患者さんによっては、手術前に虫歯や歯周病の治療、抜歯、骨を増やす処置などが必要になることもあります。また、インプラントの埋入方法によっては二次手術を行います。

つまり、インプラント治療は「手術をしたら終わり」ではありません。

手術前の準備、骨が治るのを待つ期間、人工歯を作る工程まで含めて一つの治療と考えると、全体の流れがわかりやすくなります。

この記事を読むとわかること

  1. インプラント治療の基本的な手順
  2. 初診やCT検査で確認すること
  3. 手術前に必要になる治療
  4. インプラント埋入手術の流れ
  5. 手術後に人工歯が入るまでの流れ
  6. 二次手術が必要になる場合
  7. 治療終了後のメインテナンス

 

インプラント治療はどんな順番で進むの?

インプラント治療はどんな順番で進むの?の図解

インプラント治療は、大きく「手術前」「手術」「治癒期間」「人工歯」「メインテナンス」の5段階に分けると理解しやすくなります。

歯科医院によって細かな順番は異なりますが、基本的な流れは共通しています。

まずは治療全体を一覧で確認してみましょう。
自分が今どの段階にいるのかがわかると、次に何をするのかも理解しやすくなります。

段階 主な内容
1. 相談・検査 口の中や全身状態、顎の骨などを確認する
2. 事前治療 必要に応じて虫歯・歯周病治療、抜歯、骨造成などを行う
3. 埋入手術 顎の骨にインプラント体を埋め込む
4. 治癒期間 インプラントと骨が安定するのを待つ
5. 人工歯 型取りや噛み合わせ確認を行い、人工歯を装着する
6. メインテナンス 歯磨きと歯科医院での定期的な管理を続ける

治療の中心は手術に見えますが、実際にはその前後にも重要な工程があります。
特に、事前の診査と治療後のメインテナンスは、インプラントを長く使ううえで欠かせません。

インプラント治療は「手術の日」だけではなく、検査からメインテナンスまで続く一連の治療です。

最初の相談・検査では何をするの?

相談

最初の段階では、インプラント治療が可能か、どの位置に何本埋めるかなどを判断するための診査を行います。

初診では、歯を失った経緯や希望する治療方法を確認します。

さらに、

  1. 口の中の状態を確認します
    → 残っている歯、歯茎、噛み合わせなどを診ます。
  2. レントゲンやCTを撮影します
    → 顎の骨の幅や高さ、神経や血管などの位置を確認します。
  3. 全身状態を確認します
    → 持病や服用している薬などを確認します。
  4. 治療計画を立てます
    → インプラントの本数や位置、追加処置の必要性、治療期間などを検討します。

CTでは、顎の骨を立体的に確認できるため、インプラントを埋める位置を検討する際に重要な情報になります。

検査結果をもとに、患者さんごとに治療の順番を決めていきます。

インプラント治療では、手術前のCT撮影や口腔内の診査によって安全に治療できる条件を確認します。

インプラント手術の前に治療が必要なことはある?

虫歯や歯周病がある場合、インプラント手術より先に治療を行うことがあります。また、顎の骨が不足している場合は骨造成が必要になることもあります。

口の中に強い炎症がある状態のままインプラント治療を始めるのは適切ではありません。

そのため、必要に応じて、

  1. 虫歯治療
  2. 歯周病治療
  3. 保存できない歯の抜歯
  4. 歯磨き方法の改善
  5. 骨を増やす処置

などを先に行います。

インプラントの手術前に追加の処置が必要かどうかは、患者さんごとに異なります。
この段階によって治療全体の期間が変わることもあります。

口の状態 手術前に行う可能性がある処置
虫歯がある 虫歯治療
歯周病がある 歯周病治療・口腔清掃
抜歯が必要 抜歯や治癒期間の確保
骨が不足している 骨造成など

「インプラントを入れる日」だけを見て治療期間を考えると、予定より長く感じることがあります。
最初の診査で、手術前にどのような処置が必要なのかまで確認しておくことが大切です。

インプラント治療では、手術前に口の中を整える工程が入ることがあります。

抜歯が必要な場合でも、すべてのケースで抜歯後の治癒を待つわけではありません。条件が整えば抜歯と同日にインプラントを埋入する方法もあります。詳しくは、インプラントの即時埋入とは?メリット・適応条件・通常法との違いを解説も参考にしてください。

インプラントを埋める手術はどのように進むの?

インプラント埋入手術では、麻酔を行ったうえで顎の骨にインプラント体を埋め込みます。

一般的には局所麻酔を行い、歯茎を開いて顎の骨を確認し、計画した位置にインプラントを埋入します。

その後、歯茎を縫合して手術を終了します。

症例によっては、骨を増やす処置をインプラント埋入と同時に行う場合もあります。

また、治療方法には、

  • インプラントの一部を歯茎の外へ出しておく方法
  • インプラント全体を歯茎の中に覆って治癒を待つ方法

などがあります。

後者の場合は、骨との結合を待ったあとにインプラントの頭を歯茎の上へ出す二次手術を行います。

埋入手術では、事前に決めた位置へインプラント体を埋め込み、その後は骨との結合を待ちます。

インプラント手術の所要時間は、埋入する本数や骨造成の有無などによって異なります。手術当日の流れや時間の目安については、インプラントの手術時間はどれくらい?1本・複数本・骨造成ありの場合を解説も参考にしてください。

手術後はすぐに人工歯を入れられるの?

一般的には、インプラントを埋めたあと一定期間を置き、顎の骨と安定するのを待ってから人工歯を作ります。

インプラントは埋入直後から完成するわけではありません。
骨の中でインプラントが安定するためには治癒期間が必要です。

その期間は、

  1. 顎の骨の状態
  2. インプラントを埋めた場所
  3. 骨造成の有無
  4. インプラントの安定性

などによって変わります。

手術から人工歯までの間には、いくつかの段階があります。
「手術後すぐ完成する」と考えるのではなく、骨が治るための期間も治療の一部と考えましょう。

手術後の段階 主な内容
手術直後 傷口の治癒を確認する
治癒期間 インプラントと顎の骨が安定するのを待つ
必要に応じて二次手術 インプラントの頭を歯茎の上に出す
型取り・仮歯 人工歯の形や噛み合わせを確認する
最終的な人工歯 完成した人工歯を装着する

前歯などでは、治療中の見た目に配慮して仮歯を使用する場合もあります。
ただし、仮歯をいつ装着できるかは口の中の状態によって異なります。

インプラント手術のあとには骨との結合を待つ期間があり、その後に人工歯を作る工程へ進みます。

インプラント治療では、最終的な人工歯が入るまで数か月かかることがありますが、その間ずっと歯がないとは限りません。仮歯を入れられる時期については、インプラント治療の歯がない期間はどのくらい?仮歯を入れられる時期も解説をご覧ください。

二次手術は全員に必要なの?

二次手術は、インプラントを歯茎の中に完全に覆って治癒させる方法を選んだ場合などに行います。すべての患者さんに必要とは限りません。

インプラント治療には、手術を1回で進める方法と、2回に分ける方法があります。

2回法では、最初の手術でインプラントを顎の骨に埋め、歯茎で覆って治癒を待ちます。

骨との結合を確認したあと、二次手術で歯茎を小さく開き、インプラントの頭を出します。

このあと、人工歯を取り付けるための部品を装着し、歯茎の形が整うのを待ちます。

患者さんによって手術回数が異なるため、治療計画を聞く際には「手術は何回予定されていますか?」と確認すると流れを把握しやすくなります。

二次手術が必要かどうかは治療方法によって異なり、すべてのインプラント治療で2回の手術を行うわけではありません。

最終的な人工歯はどのように作るの?

インプラントが安定したら、型取りや噛み合わせの確認を行い、最終的な人工歯を作ります。

症例によっては、すぐに最終的な人工歯を作るのではなく、仮歯を使って、

  1. 噛みやすいか
  2. 見た目に問題がないか
  3. 発音しにくくないか
  4. 歯磨きしやすい形か

などを確認します。

問題があれば調整し、その結果を最終的な人工歯の形に反映します。

インプラントでは「歯が入った日」がゴールのように感じるかもしれませんが、噛み合わせや清掃のしやすさを確認することも大切な工程です。

人工歯は見た目だけでなく、噛み合わせや歯磨きのしやすさまで確認して仕上げます。

インプラント治療が終わった後は何をするの?

最終的な人工歯が入ったあとも、毎日の歯磨きと歯科医院での定期的なメインテナンスが必要です。

インプラント自体は虫歯にはなりませんが、周囲に歯垢がたまると歯茎に炎症が起こることがあります。

そのため、治療後も、

  1. インプラント周囲の歯磨き
  2. 歯間ブラシやデンタルフロスなどを使った清掃
  3. 噛み合わせの確認
  4. インプラント周囲の歯茎や骨のチェック
  5. 歯科医院での専門的な清掃

を続けます。

インプラント治療は、人工歯を装着した時点で一区切りとなりますが、その状態を維持する工程がその後も続きます。
長く使うためには、自宅と歯科医院の両方で管理することが重要です。

治療後の管理 目的
毎日の歯磨き インプラント周囲に歯垢を残しにくくする
歯間清掃 歯ブラシだけでは届きにくい部分を清掃する
定期的なメインテナンス 炎症や噛み合わせなどを確認する
専門的な清掃 セルフケアで落としにくい汚れを除去する

人工歯が入ったあとも定期的に状態を確認することで、トラブルの早期発見につながります。

インプラント治療の最後の手順は「人工歯を入れること」ではなく、その状態を維持するためのメインテナンスを始めることと考えるとよいでしょう。

インプラント治療では、人工歯を装着したあともメインテナンスを継続することが大切です。

インプラント治療後は、周囲に歯垢をためないことと定期的なメインテナンスが重要です。インプラント周囲の炎症や口臭との関係については、インプラントがにおう原因とは?口臭・歯ぐきの炎症・正しいケア方法も参考にしてください。

まとめ|インプラント治療は「手術して終わり」ではありません

インプラント治療の基本的な手順は、

  1. 相談・カウンセリング
  2. 口の中や全身状態の検査
  3. CTなどによる精密検査
  4. 必要に応じた虫歯・歯周病治療、抜歯、骨造成
  5. インプラント埋入手術
  6. 骨との結合を待つ
  7. 必要に応じて二次手術
  8. 型取り・仮歯
  9. 最終的な人工歯の装着
  10. 定期的なメインテナンス

という流れで進みます。

ただし、すべての患者さんが同じ手順になるわけではありません。

顎の骨が十分にある方と骨造成が必要な方では治療期間が異なり、治療方法によって手術回数も変わります。

インプラント治療を受ける前には、単に「手術はいつですか?」と確認するだけでなく、「私は今どの段階で、このあと何をして、完成までどのくらいかかりますか?」と聞いてみるのがおすすめです。

インプラント治療の流れをあらかじめ理解しておけば、長く感じやすい治癒期間も「何もしていない待ち時間」ではなく、**顎の骨がインプラントを支えられる状態になるための大切な治療工程**として捉えやすくなります。

なお、日本口腔インプラント学会公式情報でも、インプラントの手順は埋入手術だけでなく、事前の検査、必要に応じた骨造成、人工歯の作製、治療後のメインテナンスまでを含む一連の流れとして説明されています。CTでは顎骨の三次元構造や神経・血管などを確認できるとされています。

関連ページ:梅田茶屋町クローバー歯科のインプラント治療

参考文献・情報源

※本記事は上記の情報源などを参考に、一般の方にわかりやすい内容となるよう編集・構成しています。