矯正治療中はどんな食事に気をつけるべき?
矯正治療中は、硬い食品・粘着質の食品・砂糖の多い食品を避け、装置に負担をかけず、歯垢が残りにくく、口腔内の負担を減らす食べ方を意識することが大切です。
この記事はこんな方に向いています
- 矯正治療を始めたばかりで、食事の注意点がまだ不安な方
- 装置が壊れないか心配で、何を食べて良いか迷っている方
- 痛みのある時期に、食べやすい食品を知りたい方
- 治療をスムーズに進めるための食習慣を理解したい方
この記事を読むとわかること
- 矯正治療中に避けた方がよい食品とその理由
- 食材ごとのリスク(硬い・弾力がある・粘着性が強いなど)
- 痛みのある時期でも食べやすい食事の工夫
- 外食や間食で気をつけるべきポイント
- 装置トラブルを防ぐ食習慣の作り方
目次
矯正治療中に食事で注意が必要なのはなぜ?
矯正治療中は装置が歯に力をかけて動かしているため、歯が敏感になり、装置自体も外的な力に弱い状態になります。硬いもの・粘着質のものは装置を変形させやすく、噛む刺激が強い食品は痛みを増幅させることがあります。また、装置の周囲には歯垢が残りやすいため、虫歯や歯周トラブルのリスクが普段より高くなります。食事内容や食べ方を意識することが、治療期間や結果に直結します。
矯正中は歯と装置がデリケートで、食事次第で痛みやトラブルが起こりやすいため注意が必要です。
装置が入っている口腔内は、普段より食べ物の力をまともに受けやすくなります。特にワイヤー矯正の場合、歯に固定されたブラケットやワイヤーは、横からの力や引っ張る力に弱い構造です。
また、マウスピース矯正であっても、硬い食品を噛んだ際の衝撃で歯が痛み、マウスピースが浮くことがあります。
さらに、装置周囲には細かい凹凸が多いため、食後に歯垢が溜まりやすく、虫歯リスクも上昇します。
こうした要素を踏まえると、矯正治療中の食事は
「装置に負担をかけない」
「痛みを和らげる」
「虫歯を防ぐ」
この3点を意識する必要があります。
どんな食品を避けるべき?(硬い・粘着質・弾力が強い食品のリスク)
矯正中に避けた方がよい食品には、硬い食品、粘りつく食品、弾力のある食品があり、それぞれ装置の破損や痛み、虫歯リスクを高める原因になります。硬い食品はブラケットの脱落やワイヤーの変形を起こしやすく、粘着性の高い食品は装置に絡みついて清掃が困難になります。弾力のある食品は強い噛む力を必要とし、痛みを増すことがあります。
硬い・くっつく・噛み切りにくい食品は、装置を壊したり痛みを増やすため避けると安心です。
避けたい食品の一覧と解説
硬い食品
- ナッツ類
→ 小さくても噛み砕く力が強く必要で、ブラケットやワイヤーを破損させる恐れがあります。 - フランスパン・バゲット・硬いせんべい
→ 表面の硬さが装置に直接衝撃を与えます。 - りんご丸かじり
→ 歯で噛み切る時、ブラケットに大きな横力がかかります。
粘りっけのある食品
- キャラメル・ガム
→ 装置に絡まり付き、清掃が非常に困難です。 - お餅
→ まとわりつきやすく、装置の隙間に入り込むと除去に時間がかかります。 - 弾力のある食品
- ステーキやイカ・タコ
→ 強く噛む必要があるため、痛みが増したり装置を引っ張る力がかかります。 - グミ
→ 噛み切りにくく、粘着性もあるため二重にリスクがあります。
硬い食品は“瞬間の力”で装置を壊し、粘着性の食品は“じわじわと装置を引っ張る力”が働きます。弾力のある食品は“長時間の噛む力”で歯に負担がかかります。
性質は違っていても、最終的にはどれも 治療期間の延長 や 装置トラブル の原因となります。
避けた方がよい食品の種類と理由のまとめ
| 食品のタイプ | 具体例 | リスク・注意点 | なぜ避けるべきか(解説) |
|---|---|---|---|
| 硬い食品 | ナッツ類、バゲット、硬いせんべい、りんご丸かじり | ・装置の破損・衝撃で強い痛み | 噛む瞬間の強い圧力がブラケットやワイヤーに横方向の力を加え、破損リスクが高い。痛みのある時期は負担が大きい。 |
| 粘着質の食品 | キャラメル、ガム、お餅 | ・装置に絡みつく・清掃が困難・虫歯リスク増加 | 粘りが強く、装置の隙間に入り込んで取れにくい。歯垢が残りやすく、虫歯の原因になりやすい。 |
| 弾力(コシ)の強い食品 | ステーキ、イカ、タコ、グミ | ・強い噛む力が必要・痛み増加・装置に負担 | しっかり噛む必要があるため、痛む期間には負担が大きい。装置を引っ張る力がかかり、ズレや破損の原因になる。 |
| 細かい粒が詰まりやすい食品 | コーン、ポップコーン、ナッツの砕片 | ・装置に詰まる・取り除くのが大変 | 細かな粒がブラケットの隙間に入りやすく、歯磨きの負担を増やす。放置すると虫歯のリスクが上昇する。 |
| 硬さ+甘さがある食品 | カリッとしたクッキー、固いチョコ | ・衝撃+虫歯リスクのダブル | 噛む硬さだけでなく、甘みが歯垢として残りやすく、矯正中の口腔内では虫歯の温床になりやすい。 |
この表にあるとおり、避けたい食品には “硬さ・粘り・弾力・詰まりやすさ” といった特性が共通して存在します。これらの特徴は、装置の破損や痛みの増加だけでなく、治療期間の延長にも直結します。以下では、それぞれの食品がどのような理由で注意すべきなのかを詳しく説明していきます。
痛みが強い時期でも食べやすい食品は?
調整直後やマウスピース交換直後は、歯に圧力がかかり噛む力が弱まります。この時期は柔らかく、歯に負担の少ない食品を選ぶことで、食事量をしっかり確保しつつ痛みを和らげられます。飲み込みやすい食品、細かく切った食品、温かすぎない料理など、歯に刺激を与えない工夫がポイントです。
痛い時期は柔らかく食べやすい料理に切り替えると快適です。
おすすめ食品リスト
柔らかい食品
- おかゆ・雑炊
→ 噛む回数が少なくても栄養をとれるため、初期の痛みに最適です。 - 豆腐・茶碗蒸し
→ 舌だけでも食べられる柔らかさで、口の疲労が軽減されます。 - スープ類
→ 温度が安定していて口内への刺激が少なく、具材を細かくすればさらに食べやすくなります。
噛む回数の少ない食品
- 煮込みうどん・やわらかいパスタ
→ 長く煮込むことで歯への負担が少なくなります。 - オムライス・卵料理
→ 卵は柔らかく、噛む回数が少なくて済みます。
食材を細かくすることで食べやすくなるもの
- 根菜類の煮物
→ 煮込む+小さく切ることで非常に食べやすくなります。 - ほぐした魚
→ 刺身は避け、焼き魚や煮魚をほぐすと安全です。
痛みのある時期は“食べられないストレス”が大きくなりがちです。柔らかい食事に切り替えることは、単に痛み軽減だけでなく、心身のストレスを抑え、治療を続けるモチベーション維持にもつながります。
外食や間食では何に気をつける?
外食では食材の硬さを選べないことが多く、間食では甘いものやスナック類が虫歯リスクを高めます。料理の選択、食べ方の工夫、食後のケアを適切に行うことで、装置トラブルや虫歯を防げます。
外食はメニュー選びを慎重に、間食は量と種類を調整すると安心です。
外食で注意したいこと
避けたいメニュー
- 硬い揚げ物(唐揚げの衣が固い場合あり)
- ステーキなどの塊肉
- 固めのサラダ(生のにんじん、コーンなど)
おすすめメニュー
- 煮込み料理(ビーフシチュー、煮魚など)
- 麺類の柔らかいメニュー
- 卵料理・豆腐料理
食べ方の工夫
- 一口サイズにカットして前歯への負担を減らす
- 温かすぎる・冷たすぎる料理は避ける
- ゆっくり噛む
- 装置に詰まりやすいものを避ける
間食で気をつけるポイント
控えたい食品
- チョコやキャラメル(装置に残りやすい)
- スナック菓子(歯垢がつきやすい)
- 甘いジュース(酸による脱灰リスク)
おすすめの間食
- ヨーグルト
- バナナ
- プリン
- チーズ(虫歯リスクを下げやすい)
外食では“選べるメニューが限られる”という事情があり、間食では“つい習慣で甘いものを食べてしまう”状況が生まれます。しかし、それらの積み重ねが治療の進行を妨げます。
食事1回ごとの“選択の積み重ね”が、治療の成功度を決める鍵になります。
食後のケアはどこまで必要?
矯正中は装置の影響で歯垢が溜まりやすいため、普段以上のケアが必要になります。食後の歯磨き、うがい、水分摂取、補助清掃用具の活用、マウスピース矯正の場合は洗浄の徹底などがポイントです。
矯正中は食後のケアが普段より重要で、小まめな清掃が治療を支えます。
ケアのポイント
- 丁寧な歯磨き
- 装置の上・下・横から、角度を変えて磨く
- 小刻みにブラシを動かす
- 1回の歯磨きを丁寧に行う
補助器具の活用
- 歯間ブラシ → 装置周囲の歯垢を落としやすい
- ワンタフトブラシ → ブラケット周りの細かい部分に使いやすい
- フロス(可能な部位のみ)
マウスピース矯正の場合
- 食後は必ず歯磨きをしてから装着
- マウスピースは水洗い+専用洗浄剤で清潔に保つ
矯正中の清掃不足は、虫歯・歯周トラブルの原因になり、場合によっては治療中断を招きます。“面倒だからあとでいいか”という油断が、後々の治療期間延長につながることを忘れないようにしましょう。
まとめ
食品選びが治療の進み方を大きく左右します
矯正治療中の食事は、単なる「食べるものを選ぶ話」ではありません。装置の破損、痛みの悪化、虫歯リスクの増加など、治療そのものに大きく影響します。
- 硬い食品は装置に衝撃を与える
- 粘着性食品は装置を引っ張り、清掃しにくい
- 弾力のある食品は痛みを増やす
- 柔らかい食品への切り替えでストレス軽減
- 外食・間食では慎重な選択が必要
- 食後のケアは普段以上に丁寧に
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