
歯周病の症状とは?
歯茎の腫れや出血、口臭、歯の動揺など、口の中にさまざまな変化が現れることです。歯周病は初期の段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまう病気です。しかし、早めに症状を理解して対応することで、歯を失うリスクを大きく減らすことができます。
この記事はこんな方に向いています
- 歯茎が腫れたり血が出たりして不安を感じている方
- 最近口臭が強くなったと感じている方
- 歯周病の初期症状を知り、早期に対処したいと考えている方
- 将来歯を失わないために予防を重視したい方
この記事を読むとわかること
- 歯周病の代表的な症状とその特徴
- 初期から重度までの進行に伴う変化
- 自宅で気づきやすいチェックポイント
- 歯科医院での診断や早期対応の重要性
目次
なぜ歯周病の症状を知ることが大切なの?
歯周病は日本人が歯を失う最大の原因であり、初期の段階では痛みがほとんどありません。そのため、症状を知らないと発見が遅れ、気づいたときには歯がぐらついて抜歯が必要になることもあります。症状を理解し、日常生活で注意を払うことが予防と早期治療のカギとなります。
歯周病は自覚しにくいため、症状を知ることが早期発見のカギです。
- 歯周病は「サイレントディジーズ(静かな病気)」と呼ばれる
- 初期は出血や軽い腫れのみで気づきにくい
- 進行すると歯槽骨が溶け、歯を失うリスクが高まる
このように、歯周病の症状を把握しておくことは、歯を守るために非常に重要です。
歯周病の初期症状にはどんなものがあるの?
歯周病の初期症状には、歯茎の腫れや出血、口臭などが見られます。これらは「歯肉炎」や「軽度歯周炎」と呼ばれる段階で現れるもので、まだ歯を支える骨には大きな影響は出ていません。早期に歯科医院を受診すれば改善できることが多いのが特徴です。
初期症状は歯茎の腫れや出血、口臭です。
- 歯茎が赤く腫れる
- 歯磨きの際に血が出る
- 口臭が強くなる
- 歯茎にかゆみや違和感を覚える
これらのサインを軽視せずに受診することが、歯周病の進行を防ぐ大きな一歩です。
中等度以上に進行するとどんな症状が出るの?
歯周病が進行すると、歯を支える骨が徐々に破壊され、歯の動揺や咬むときの違和感が出てきます。また、膿が出たり口臭が強くなったりするため、日常生活に大きな支障をきたします。重度の場合は歯が自然に抜け落ちることもあります。
進行すると歯がぐらつき、膿や強い口臭が出ます。
- 歯が浮いたような感じがする
- 歯と歯茎の間から膿が出る
- 強い口臭が続く
- 食事がしにくくなる
- 歯が動いて隙間が広がる
この段階まで進むと治療も複雑になり、回復に時間がかかるため、早めの対応が大切です。
歯周病の症状と似ている他のトラブルはある?
歯周病は口の中でさまざまな症状を引き起こしますが、それと似たような症状を示す他の口腔トラブルも少なくありません。特に「歯茎の腫れ」「出血」「痛み」「口臭」などは歯周病以外の病気や習慣でも起こるため、自己判断では見分けがつきにくいことがあります。
たとえば、口内炎は歯茎の一部が赤く腫れて痛みを伴いますし、歯髄炎(歯の神経の炎症)は強い痛みがあり、歯周病と混同されやすいです。また、歯ぎしりや不正咬合も歯の動揺や歯茎の違和感を生じることがあります。これらの症状を見極めるには、歯科医院での診断が欠かせません。
歯周病と似た症状を示す口内炎や歯髄炎、歯ぎしりなどがあり、見分けには歯科での診断が必要です。
歯周病と似ている口腔トラブルの例
- 口内炎
→ 歯茎や粘膜にできる炎症で、赤く腫れて痛みを伴う。部分的であることが多い。 - 歯髄炎(歯の神経の炎症)
→ 虫歯が進行して歯の神経まで感染すると起こる。強い痛みがあり、夜眠れないこともある。歯茎の腫れは目立たない。 - 歯ぎしり・食いしばり
→ 歯に強い力がかかることで歯茎に違和感や歯の揺れが生じる。朝起きたときに顎が疲れていることが多い。 - 不正咬合
→ 咬み合わせが悪いために歯や歯茎に負担がかかり、炎症や出血が起こることがある。 - 義歯や被せ物の不適合
→ 入れ歯や被せ物が合っていないと、局所的に歯茎が腫れたり出血したりする。
症状の比較表
症状の特徴 | 歯周病 | 口内炎 | 歯髄炎 | 歯ぎしり・不正咬合 | 義歯・被せ物の不適合 |
---|---|---|---|---|---|
歯茎の腫れ | 広範囲に出る | 局所的に出る | ほとんどなし | 場合によってあり | 特定の部位に出る |
出血 | 歯磨きで出やすい | 軽い出血のこともある | なし | 少ない | 部分的にあり |
痛み | 初期は少ない、進行すると咀嚼時に痛い | 食事や触れると痛い | 強い自発痛 | 歯や顎に鈍痛 | 器具が当たる部分に痛み |
口臭 | 強く出ることが多い | あまりない | あまりない | 歯の欠けや摩耗で間接的に出ることも | 器具が不衛生だと出る |
歯の動揺 | 中等度以上で出る | なし | なし | 強い場合に出る | 基本的になし |
歯周病の症状は「慢性的で広範囲」に現れるのが特徴ですが、口内炎や歯髄炎は「急性で局所的」な症状として現れることが多いです。また、歯ぎしりや不正咬合は直接炎症を起こすわけではなく、歯や歯茎に負担をかけることで似たような違和感を生じさせます。
つまり、症状が似ているからといって自己判断で「歯周病だ」と決めつけるのは危険です。歯科医院ではレントゲンや歯周ポケットの測定などを行い、正確に診断してもらうことが大切です。
自分でできる歯周病の症状チェック法は?
日常生活の中でも、歯周病の症状をセルフチェックすることが可能です。歯茎の色や出血、口臭、歯の動揺などを観察することがポイントです。ただし自己チェックはあくまで目安であり、異常を感じたら歯科医院を受診しましょう。
セルフチェックで症状に気づくことができます。
- 鏡で歯茎の色や形を確認する
- 歯磨き後の歯ブラシに血がついていないか確認する
- 朝起きたときの口臭をチェックする
- 指で歯を軽く動かしてぐらつきを確認する
このような習慣を取り入れることで、歯周病の早期発見につながります。
症状があればどう対応すべき?歯科医院での診断と治療
歯周病の症状に気づいたら、早めに歯科医院で健診を受けることが大切です。歯垢や歯石を取り除くスケーリングや、歯磨き指導、場合によっては外科的処置が必要になることもあります。放置すると歯を失う可能性があるため、早期治療が重要です。
症状があれば歯科医院で健診と治療を受けましょう。
- 歯垢や歯石を除去するスケーリング
- 歯磨き指導によるセルフケアの改善
- 中等度以上では歯周ポケットの清掃や外科的治療
- 定期的な健診による再発予防
歯周病は自然に治ることはありません。症状があるなら放置せず、早めに歯科医院で治療を受けましょう。
まとめ
歯周病の症状を早めに知ることが歯を守る第一歩
歯周病は自覚症状が乏しく、気づいたときには重度に進行していることが少なくありません。歯茎の腫れや出血、口臭など、日常生活で気づけるサインを知ることが大切です。症状があれば早めに歯科医院を受診し、適切な治療と予防を続けることで歯を長く守ることができます。
症状を知り、早期に対応することが歯を守る第一歩です。