銀歯を白い歯へやり替えるにはどうすれば良い?

梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 竹田 亮

銀歯を白くすることはできるの?

銀歯は、歯の状態や銀歯の大きさ、噛み合わせなどの条件に応じて、白い詰め物や被せ物へ交換できます。白くする方法には、コンポジットレジン、CAD/CAMで製作する詰め物・被せ物、セラミック、ジルコニアなどがあります。

条件によっては、保険診療で白い材料を選べる場合もあります。ただし、すべての銀歯を保険で白くできるわけではありません。また、銀歯を外す際や、新しい詰め物・被せ物の形を整える際には、歯を削ることがあります。

そのため、「白くできるか」だけでなく、現在の銀歯に問題があるか、交換によってどの程度歯を削るのか、どの素材が噛み合わせに適しているかを確認してから治療を決めることが大切です。

銀歯は保険または自由診療の白い材料へ交換できますが、歯の状態や交換による負担を確認して判断する必要があります。

この記事を読むとわかること

  1. 銀歯を白くする治療方法
  2. 保険で白くできる場合の条件
  3. CAD/CAM、セラミック、ジルコニアの違い
  4. 銀歯を白くするメリット・デメリット
  5. 銀歯を交換した方がよい場合
  6. 銀歯を外すときに歯を削る理由
  7. 治療の流れと通院回数
  8. 治療費を比べる際のポイント

銀歯が気になっていても、「問題なく使えている歯を外してもよいのだろうか」「白くすると高額になるのでは」と迷う患者さんは少なくありません。

銀歯を白くする治療は、見た目だけで決めるものではありません。銀歯の下に虫歯がないか、歯がどれくらい残っているか、歯ぎしりや食いしばりがないかなども確認し、患者さんの希望に合う方法を選びます。

 

目次

銀歯を白くする方法にはどのようなものがあるの?

銀歯を白くする方法は、現在入っている銀歯が小さな詰め物なのか、歯全体を覆う被せ物なのかによって異なります。

銀歯を外した後に残っている歯の量や虫歯の広がりによっては、同じ大きさの白い詰め物へ交換できる場合もあれば、歯全体を覆う被せ物が必要になる場合もあります。

小さな銀歯は白い詰め物、大きな銀歯は白い被せ物へ交換するのが基本ですが、最終的な方法は歯を診察して判断します。

主な治療方法は次のとおりです。

  1. コンポジットレジンによる治療
    → 歯科用の白い樹脂を歯へ直接詰める方法です。虫歯や銀歯の範囲が小さい場合に適用できることがあります。
  2. CAD/CAMインレーによる治療
    → コンピューター上で設計した白い詰め物を、専用のブロックから削り出して製作します。条件を満たせば保険診療の対象になる場合があります。
  3. CAD/CAM冠による治療
    → 歯全体を覆う白い被せ物です。保険診療で使用されるものには、主に歯科用レジンと無機質フィラーを組み合わせた材料などがあります。
  4. セラミックによる治療
    → 陶材を主成分とする白い詰め物・被せ物へ交換する方法です。天然歯に近い色や透明感を再現しやすい特徴があります。
  5. ジルコニアによる治療
    → 強度の高いジルコニアを使用する方法です。噛む力がかかりやすい奥歯にも選択されることがあります。

白い材料にも種類があり、それぞれ見た目、強度、費用、必要な歯の厚みが異なります。「最も高い素材が自分にも最適」とは限らないため、使用する場所や噛み合わせを含めて選ぶことが重要です。

銀歯は保険で白くできるの?

銀歯は、歯の位置や残っている歯、噛み合わせ、使用する材料などの条件を満たせば、保険診療の白い詰め物・被せ物へ交換できる場合があります。

保険診療で使用される主な白い修復物には、CAD/CAMインレーやCAD/CAM冠があります。CAD/CAMとは、コンピューターを使って詰め物や被せ物を設計し、専用の材料から削り出して製作する方法です。

銀歯を保険で白くできる場合はありますが、歯の位置だけでなく、噛み合わせや歯の状態などの条件があります。

CAD/CAM冠とは?

CAD/CAM冠は、歯の形をデジタルまたは模型上で読み取り、コンピューター上で設計した後、専用のブロックから削り出して製作する白い被せ物です。

保険診療では、材料や使用できる歯について一定の条件が定められています。近年は保険適用の範囲が広がっていますが、すべての症例に適用できるわけではありません。2026年度の診療報酬においても、CAD/CAM冠用材料に関する規定が設けられています。

CAD/CAMインレーとは?

CAD/CAMインレーは、銀色の詰め物に代わって使用する白い詰め物です。

歯全体を覆うのではなく、虫歯や以前の詰め物があった部分を中心に修復します。ただし、虫歯の範囲が大きい場合や、歯の残っている部分が少ない場合は、詰め物ではなく被せ物が必要になることがあります。

保険で白くできるかは診察後に判断する

保険適用の可否は、次のような条件によって変わります。

  • 白くしたい歯の位置
  • 銀歯が詰め物か被せ物か
  • 歯の残っている量
  • 噛み合わせの状態
  • 歯ぎしりや食いしばりの有無
  • 反対側や周囲の歯の状態
  • 使用するCAD/CAM材料
  • 保険制度上の適用条件

保険制度や使用できる材料は改定されることがあります。そのため、インターネット上の古い情報だけで判断せず、現在の歯の状態と最新の適用条件を歯科医院で確認してください。

保険の白い歯と自由診療の白い歯は何が違うの?

保険診療と自由診療の違いは、単に「安いか高いか」だけではありません。

使用できる材料、色の再現性、強度、設計の自由度などに違いがあります。一方で、自由診療の素材を選べば必ず長持ちするとは限らず、歯の状態や噛み合わせ、治療後の歯磨きなども耐久性に影響します。

保険と自由診療では費用だけでなく、素材、色調、強度、適用できる範囲が異なります。

保険診療には、費用を抑えて白い歯へ交換しやすいというメリットがあります。自由診療では、使用する素材や色調、形態などの選択肢が広くなります。

どちらがよいかは、患者さんが何を重視するかによって異なります。

比較項目 保険診療の白い歯 自由診療の白い歯
主な材料 CAD/CAM用材料、コンポジットレジンなど セラミック、ジルコニアなど
費用 保険の自己負担割合に応じる 歯科医院ごとに設定される
適用条件 歯の位置や噛み合わせなどに条件がある 保険より選択範囲が広い
色調 白いが、色の選択肢に制約がある 天然歯に合わせて調整しやすい
強度 材料や使用部位により異なる ジルコニアなど強度の高い素材も選べる
経年変化 材料によっては摩耗や変色が起こることがある セラミックは変色しにくい
修理・再治療 状態により保険で対応できる場合がある 保証内容や再治療費は医院によって異なる

費用を抑えたい方には、保険診療の白い材料が有力な選択肢になります。一方、周囲の天然歯に合わせた細かな色調や、表面の質感、長期的な変色のしにくさを重視する場合は、自由診療のセラミックなどが候補になります。

ただし、素材だけで結果が決まるわけではありません。歯の削り方、型取りや口腔内スキャン、詰め物・被せ物の製作精度、接着操作、噛み合わせの調整も重要です。

コンポジットレジンで銀歯を白くできるの?

コンポジットレジンは、歯科用の白い樹脂を歯へ直接詰める治療です。銀歯を外した後の範囲が比較的小さく、噛む力による負担が大きくない場合に適用できることがあります。

型取りをせず、その日のうちに治療を終えられる場合があるのが特徴です。また、詰め物や被せ物を製作する方法と比べて、歯を削る量を抑えられる可能性があります。

小さな銀歯であればコンポジットレジンへ交換できる場合がありますが、広い範囲や噛む力が強い場所には適さないことがあります。

コンポジットレジンのメリット

  1. 歯を削る量を抑えやすい
    → 必要な部分へ直接材料を詰めるため、歯の状態によっては健康な歯質を多く残せます。
  2. 1回で治療できる場合がある
    → 口の中で材料を詰めて形を整えるため、詰め物を製作する期間が必要ない場合があります。
  3. 保険診療で対応できる場合がある
    → 虫歯や修復範囲などの条件を満たせば、保険診療で治療できることがあります。
  4. 修理しやすい場合がある
    → 一部が欠けたり摩耗したりした場合に、材料を追加して修理できることがあります。

コンポジットレジンのデメリット

  1. 広い範囲の修復には適さない場合がある
  2. 噛む力によって欠けたり摩耗したりすることがある
  3. 時間の経過とともに変色する場合がある
  4. 治療する場所によっては形を精密に再現しにくい
  5. 唾液などで濡れやすい場所では接着が難しい場合がある

コンポジットレジンが使えるかどうかは、銀歯の大きさだけでなく、歯の残っている量、噛み合わせ、虫歯の位置などを確認して判断します。

CAD/CAMで製作する白い歯にはどのような特徴があるの?

CAD/CAMは材料の名前ではなく、コンピューターを使って詰め物や被せ物を設計・製作する方法です。

歯型や口腔内スキャンのデータをもとに形を設計し、専用のブロックから修復物を削り出します。保険診療のCAD/CAMインレーやCAD/CAM冠のほか、自由診療のセラミック修復にもCAD/CAM技術が使われます。

CAD/CAMは白い歯の素材名ではなく、コンピューターで詰め物・被せ物を作る製作方法です。

CAD/CAMのメリット

  1. デジタルデータを利用して設計できる
  2. 白い詰め物・被せ物を製作できる
  3. 条件を満たせば保険診療で選べる場合がある
  4. 製作工程を効率化しやすい
  5. 口腔内スキャナーを使用する場合は、粘土状の材料による型取りが不要になることがある

CAD/CAMの注意点

  1. 使用する材料によって強度や色調が異なる
  2. すべての歯や症例に保険が適用されるわけではない
  3. 歯ぎしりや強い噛み合わせによって破損する可能性がある
  4. 十分な厚みを確保するため、歯を削る必要がある
  5. 適合や耐久性は製作方法だけでなく、接着や噛み合わせにも左右される

「機械で作るから精度が低い」「歯科技工士が手作りするから必ず精度が高い」と単純に分けることはできません。修復物の適合には、歯の形成、スキャンや型取りの精度、設計、使用する機械、接着操作など複数の工程が関係します。

セラミックにはどのような特徴があるの?

セラミックは、陶材を主成分とする白い歯科材料です。天然歯に近い色や透明感を再現しやすく、時間がたっても変色しにくいという特徴があります。

銀歯を白くする場合は、セラミックインレーと呼ばれる詰め物や、セラミッククラウンと呼ばれる被せ物として使用します。

セラミックは自然な見た目と変色のしにくさに優れますが、強い衝撃で割れる可能性があります。

セラミックのメリット

  1. 天然歯に近い色や透明感を再現しやすい
  2. 飲食物による変色が起こりにくい
  3. 金属を使用しない方法を選べる
  4. 表面が滑らかで汚れが付着しにくい
  5. 前歯から奥歯まで使用できる場合がある

セラミックのデメリット

  1. 原則として自由診療になる
  2. 強い衝撃や歯ぎしりで割れることがある
  3. 必要な厚みを確保するために歯を削る
  4. 欠けた場合に修理ではなく作り直しが必要になることがある
  5. 噛み合わせによっては適さない場合がある

セラミックは見た目に優れた素材ですが、患者さん全員に適しているわけではありません。

歯ぎしりや食いしばりが強い方、噛む力が集中する部分では、ジルコニアを検討したり、就寝時にマウスピースを使用したりする場合があります。

ジルコニアにはどのような特徴があるの?

ジルコニアは、セラミックの一種に分類される強度の高い材料です。奥歯の被せ物やブリッジなど、噛む力がかかりやすい場所にも使用されます。

以前は色が白く不透明になりやすい傾向がありましたが、現在は色調や透明感の異なるジルコニアがあり、使用する場所や目的に合わせて選ばれています。

ジルコニアは強度に優れ、奥歯にも使いやすい素材ですが、見た目や噛み合わせを考えて種類を選ぶ必要があります。

ジルコニアのメリット

  1. 強度が高い
  2. 奥歯など噛む力がかかる場所に使用しやすい
  3. 金属を使用しない
  4. 変色しにくい
  5. ブリッジに使用できる場合がある

ジルコニアのデメリット

  1. 原則として自由診療になる
  2. 種類によっては天然歯より不透明に見える
  3. 強度が高いため、噛み合わせの調整が重要
  4. 表面が粗くなると向かい合う歯へ負担をかける可能性がある
  5. 欠けた場合の修理が難しいことがある

ジルコニアには、単色のブロックから製作するものや、表面へ色を付けるもの、ジルコニアの土台へセラミックを重ねるものなどがあります。

強度だけを優先すると周囲の歯との色の違いが気になる場合があり、見た目だけを優先すると使用する場所によっては破損リスクが高くなる場合があります。歯の位置に応じたバランスが必要です。

セラミックとジルコニアはどのように選べばいいの?

セラミックとジルコニアは、どちらも銀歯を白くする際に使われる自由診療の材料です。ただし、見た目や強度、使用する歯の位置に違いがあります。

天然歯に近い透明感を重視する場合はセラミック、噛む力が強くかかる奥歯ではジルコニアが候補になることがあります。とはいえ、材料名だけで決めるのではなく、歯の残り方や噛み合わせ、歯ぎしりの有無まで確認することが大切です。

見た目を重視する場合はセラミック、強度を重視する場合はジルコニアが候補になりますが、歯の状態によって適した材料は異なります。

同じ白い材料でも、色調や強度、適した場所には違いがあります。奥歯だから必ずジルコニア、前歯だから必ずセラミックと決まるわけではありません。

患者さんが重視したい点と、歯科医師が診断した歯の条件を照らし合わせて選びます。

素材 見た目 強度 向いている場所・ケース 主な注意点
コンポジットレジン 白いが、経年変化することがある 広い範囲では欠けることがある 比較的小さな詰め物 変色や摩耗が起こる場合がある
保険のCAD/CAM材料 銀歯より目立ちにくい 材料や使用部位によって異なる 保険の適用条件を満たす歯 色調や適用範囲に制約がある
セラミック 透明感があり天然歯に近い 強い衝撃で割れることがある 見た目を重視する歯、詰め物・被せ物 歯ぎしりが強い場合は注意が必要
ジルコニア 種類によって透明感が異なる 高い 噛む力がかかる奥歯、被せ物 噛み合わせと表面の調整が重要
ジルコニアセラミック 色調を細かく再現しやすい 土台は強いが表面が欠ける場合がある 見た目と強度の両方を重視する被せ物 自由診療で費用が高くなりやすい

たとえば、噛む力が強い奥歯では、透明感よりも破損しにくさを優先する場合があります。一方、口を開けたときに見えやすい歯では、周囲の天然歯と色を合わせることが重要になります。

また、歯ぎしりや食いしばりがある患者さんでは、材料を選ぶだけでなく、就寝時にマウスピースを使用して白い詰め物・被せ物を守ることも検討します。

銀歯を白くするメリットは?

銀歯を白い詰め物・被せ物へ交換する主なメリットは、口を開けたときに目立ちにくくなることです。特に下の奥歯は、笑ったときや話したときに見えることがあります。

また、金属を使用しない材料を選べることや、素材によっては変色しにくく、表面へ汚れが付着しにくいこともメリットです。

銀歯を白くすることで見た目を改善でき、金属を使わない治療や変色しにくい材料を選べます。

1. 口を開けたときに目立ちにくくなる

奥歯の銀歯は、正面からは見えなくても、笑ったときや横から見たときに目立つことがあります。

患者さんご本人が「他人には見えていないかもしれないけれど、自分では毎日気になる」と感じることもあります。見た目への違和感が減ることで、口元を気にせず笑いやすくなる場合があります。

2. 周囲の歯に近い色へ調整できる

白い詰め物・被せ物は、周囲の天然歯に近い色を選べます。自由診療のセラミックなどでは、色の濃淡や透明感をより細かく調整できる場合があります。

ただし、ホワイトニングを予定している場合は、先に歯を白くしてから詰め物・被せ物の色を合わせた方がよいこともあります。人工物はホワイトニングでは白くならないためです。

3. 金属を使わない治療を選べる

コンポジットレジン、セラミック、ジルコニアなど、金属を使用しない材料を選べます。

歯科用金属との関連が疑われる金属アレルギーがある患者さんにとっては、金属を使わないことが選択理由になる場合があります。ただし、症状の原因が銀歯かどうかは自己判断せず、必要に応じて皮膚科と連携して確認します。

4. 素材によっては変色しにくい

セラミックやジルコニアは、コンポジットレジンと比べて飲食物による変色が起こりにくい材料です。

長期間使用しても色が変わりにくいため、見た目を維持しやすいという特徴があります。ただし、詰め物・被せ物の周囲の天然歯は、加齢や着色によって色が変化することがあります。

5. 表面が滑らかな材料を選べる

セラミックは表面を滑らかに仕上げやすく、適切に研磨された状態では歯垢や着色汚れが付着しにくい傾向があります。

ただし、セラミックへ交換すれば虫歯にならないわけではありません。歯との境目には歯垢が付着するため、治療後も歯磨きやデンタルフロスが必要です。

銀歯を白くするデメリットや注意点は?

銀歯を白くする治療には、見た目を改善できる一方で、歯を削る可能性や費用、破損のリスクなどがあります。

状態に問題のない銀歯を見た目だけの理由で交換する場合は、得られるメリットと歯への負担を比較し、十分に納得してから治療を受けることが大切です。

銀歯を白くする際は、歯を削る量、虫歯の有無、材料の破損、費用を事前に確認しましょう。

銀歯を外すときに歯を削ることがある

銀歯を取り外す際は、銀歯そのものを削って分割することがあります。歯をできるだけ残すよう慎重に処置しますが、銀歯と歯の境目がわかりにくい場合などは、歯質をまったく削らずに外すことが難しいことがあります。

さらに、新しい白い材料に必要な厚みや形を確保するため、歯を追加で削る場合があります。

銀歯の下に虫歯が見つかることがある

銀歯を外した後、境目や内部に虫歯が見つかることがあります。

虫歯の範囲が小さければ、予定していた白い詰め物へ交換できる可能性があります。しかし、虫歯が深く広がっていると、詰め物ではなく被せ物が必要になる場合や、歯の神経の処置が必要になる場合があります。

白い材料も割れたり外れたりすることがある

セラミックやジルコニアは耐久性のある材料ですが、破損しないわけではありません。

歯ぎしりや食いしばり、硬い物を噛む習慣、噛み合わせの偏りなどによって、詰め物・被せ物が欠けたり外れたりすることがあります。

自由診療は費用が高くなる

セラミックやジルコニアなどを選ぶ場合は、原則として自由診療になります。

同じ名称の材料でも、製作方法や色調調整、保証などによって費用が異なります。単純に価格だけを比較せず、治療費に何が含まれているかを確認することが重要です。

天然歯とまったく同じ性質にはならない

どのように自然な色へ整えても、人工の詰め物・被せ物は天然歯とは異なります。

経年変化の仕方、噛んだときの感覚、欠けた場合の修理方法などに違いがあります。「一度白くすれば一生交換しなくてよい」と考えず、治療後も定期的に状態を確認しましょう。

銀歯を白くするときは、歯をどれくらい削るの?

削る量は、現在の銀歯の大きさ、歯に残っている部分、内部の虫歯、新しく使う材料によって異なります。

小さな銀歯をコンポジットレジンへ交換できる場合は、削る量を抑えられる可能性があります。一方、被せ物へ交換する場合や、セラミックに必要な厚みを確保する場合は、歯の周囲を整える必要があります。

銀歯を白くする際に削る量は治療方法によって異なるため、交換前に確認することが大切です。

白い材料は、一定の厚みがなければ割れやすくなる場合があります。そのため、白くすることだけを優先して薄すぎる詰め物・被せ物を作ることはできません。

また、銀歯の下に虫歯がある場合は、虫歯に感染した部分を取り除く必要があります。その結果、当初の予想より歯を削る範囲が広くなることがあります。

銀歯を白くするか迷っている患者さんは、次の点を確認しましょう。

  1. 銀歯を外した後も詰め物で治療できるか
  2. 被せ物へ変更する可能性があるか
  3. 神経の近くまで削る可能性があるか
  4. 使用する材料に必要な厚みはどれくらいか
  5. 状態がよい場合は交換しない選択肢があるか

銀歯の交換では、どの材料が一番白いかだけでなく、白くするために健康な歯をどれだけ残せるかという視点も重要です。

銀歯は交換した方がいいの?

銀歯が入っているからといって、すべて交換した方がよいわけではありません。銀歯と歯の境目に問題がなく、虫歯や痛み、噛み合わせの異常もない場合は、そのまま経過を確認する選択肢もあります。一方、銀歯が外れかけている、内部の虫歯が疑われるなどの場合は、見た目に関係なく治療を検討します。

銀歯を交換するかどうかは、銀歯の色ではなく、歯の健康状態と患者さんの希望を合わせて判断します。

銀歯を交換する判断では、治療が必要な状態と、見た目を目的に検討する状態を分けて考えます。

次の表は一般的な目安です。最終的な判断には、歯科医院での診察が必要です。

銀歯の状態 交換の考え方 確認する内容
銀歯が外れた・浮いている 早めの治療を検討する 内部の虫歯、歯の破折
銀歯と歯の境目に段差や隙間がある 交換を検討する 歯垢の付着、内部の虫歯
噛むと痛い、冷たい物がしみる 原因の診査が必要 虫歯、歯のひび、神経の状態
銀歯の下に虫歯が疑われる 治療が必要になる可能性が高い 虫歯の深さと広がり
金属アレルギーとの関連が疑われる 医科と連携して判断する 原因金属、皮膚症状との関係
見た目が気になる メリットと負担を理解して検討する 削る量、材料、費用
状態が良好で症状がない 急いで交換しない選択肢もある 定期的な経過確認

銀歯の見た目が気になるという理由も、治療を検討する正当な理由です。外見上の悩みは、患者さん本人にとって大きなストレスになることがあります。

ただし、状態のよい銀歯を外す場合には、健康な歯を削る可能性や、白い詰め物・被せ物にも寿命があることを理解しておきましょう。

銀歯の下に虫歯があるかどうかはわかるの?

銀歯の下や歯との境目に虫歯があるかどうかは、診察やレントゲン撮影などで確認します。

ただし、金属はレントゲン上で白く写るため、銀歯に重なった部分の状態を完全には確認できない場合があります。銀歯を外した後に、初めて虫歯の広がりがわかることもあります。

銀歯の下の虫歯は診察やレントゲンで調べますが、外すまで正確な範囲がわからない場合があります。

歯科医院では、主に次の点を確認します。

  1. 銀歯と歯の境目に隙間や段差がないか
  2. 銀歯が動いたり浮いたりしていないか
  3. 周囲に虫歯らしい変色がないか
  4. デンタルフロスが引っかかったり切れたりしないか
  5. レントゲン上で虫歯が疑われる部分がないか
  6. 冷たい物や噛んだときの症状がないか
  7. 歯の神経や根の周囲に問題がないか

銀歯の下に虫歯があっても、初期には痛みが出ないことがあります。そのため、症状がないから内部も問題ないとは限りません。

一方で、銀歯が古いという理由だけで虫歯があるとも限りません。年数だけで交換を決めず、現在の適合状態を確認することが大切です。

銀歯は金属アレルギーの原因になるの?

歯科用金属から溶け出した金属イオンが、金属アレルギーに関係する場合があります。

ただし、銀歯が入っているすべての患者さんに金属アレルギーが起こるわけではありません。また、皮膚症状があるからといって、原因が必ず銀歯であるとも限りません。

銀歯が金属アレルギーに関係する場合はありますが、症状だけで判断せず検査が必要です。

金属アレルギーでは、口の中の粘膜だけでなく、手足など離れた場所に皮膚症状が現れる場合があります。

金属アレルギーが疑われる場合は、次のような流れで確認します。

  1. 皮膚科で症状の原因を調べる
  2. 必要に応じてパッチテストを受ける
  3. 口の中に使われている金属の種類を確認する
  4. 検査結果と症状の関係を検討する
  5. 必要性がある場合に限り、原因と疑われる金属を交換する

複数の銀歯を一度にすべて外すのではなく、医科と歯科で情報を共有しながら治療計画を立てることが重要です。

昔の銀歯がアマルガムかどうかはどう見分けるの?

過去に治療した銀色の詰め物には、歯科用アマルガムが使われている場合があります。

アマルガムは水銀を含む合金ですが、口の中に入っている銀色の詰め物がすべてアマルガムとは限りません。金銀パラジウム合金など、別の歯科用金属が使われていることもあります。

昔の銀歯がアマルガムかどうかは見た目だけでは判断しにくいため、歯科医院で確認しましょう。

アマルガムは、一般的に詰め物として使用され、年月がたつと黒っぽく見えることがあります。ただし、変色した金属の種類を患者さん自身が正確に判断することは困難です。

アマルガムが入っていても、状態が良好で、周囲に虫歯や破損がなく、医学的な問題も認められない場合は、必ずしも急いで除去する必要はありません。

除去する際には、詰め物の周囲にある歯を削る可能性があります。見た目、劣化、虫歯の有無などを確認して判断します。

銀歯によって歯茎が黒くなることはあるの?

金属を使用した被せ物の周囲では、歯茎が暗く見える場合があります。金属成分の影響だけでなく、被せ物の縁が歯茎から見えている場合や、歯茎が下がって金属部分が露出している場合もあります。

銀歯の周囲が黒く見えることはありますが、金属以外の原因も考えられます。

歯茎が黒く見える主な原因には、次のようなものがあります。

  1. 被せ物の金属部分が透けて見える
  2. 歯茎が下がり、被せ物の縁が露出している
  3. 金属成分が歯茎に沈着している
  4. メラニン色素が多い
  5. 喫煙による色素沈着
  6. 歯周病によって歯茎の形が変化している
  7. 歯の根元が変色している

銀歯を白い被せ物へ交換しても、歯茎自体に色素が残っている場合は、黒ずみが完全には消えないことがあります。まず原因を確認し、被せ物の交換だけで改善できるか、歯茎への処置も必要かを判断します。

銀歯を白くする治療はどのような流れで行うの?

銀歯を白くする治療では、最初に銀歯と周囲の歯の状態を調べます。その後、保険診療と自由診療の選択肢、使用できる材料、費用などの説明を受けて治療方法を決めます。

銀歯を外した後に虫歯が見つかった場合は、虫歯を取り除いてから歯の形を整えます。

診査、銀歯の除去、虫歯の治療、型取り、新しい白い歯の装着という順で進みます。

一般的な治療の流れは次のとおりです。

  1. 診察とレントゲン撮影を行う
    → 銀歯の適合、虫歯、歯の根、噛み合わせなどを確認します。
  2. 治療方法と材料を相談する
    → 保険診療と自由診療の違い、素材、費用、治療回数などの説明を受けます。
  3. 銀歯を取り外す
    → 歯への負担を抑えながら銀歯を除去します。
  4. 内部の虫歯を確認する
    → 虫歯がある場合は、感染した歯質を取り除きます。
  5. 歯の形を整える
    → 新しい詰め物・被せ物に必要な形と厚みを確保します。
  6. 型取りまたは口腔内スキャンを行う
    → 白い詰め物・被せ物を製作するための歯型データを取ります。
  7. 仮の詰め物や仮歯を入れる
    → 完成まで歯を保護します。治療方法によっては仮歯が不要な場合もあります。
  8. 白い詰め物・被せ物を装着する
    → 色、適合、歯との接触、噛み合わせを確認して接着します。
  9. 治療後の状態を確認する
    → 噛んだときの違和感や歯茎の状態などを確認します。

コンポジットレジンによる治療では、銀歯を外した日に白い材料を詰めて終了できる場合があります。一方、詰め物・被せ物を歯科技工所などで製作する場合は、型取りの日と装着の日に分けて治療します。

銀歯を白くする治療期間と通院回数はどのくらい?

通院回数は、使用する材料や内部の虫歯の状態によって異なります。小さな範囲をコンポジットレジンで治療できる場合は1回で終わることがあります。白い詰め物や被せ物を製作する場合は、一般的に2回以上の通院が必要です。

簡単な詰め直しなら1回、詰め物・被せ物の製作では2~3回程度が目安です。

次の表は、一般的な治療回数と期間の目安です。銀歯の下に虫歯がある場合や、歯の神経の治療が必要な場合は、通院回数が増えます。

医院の製作方法や予約状況によっても期間は異なるため、治療前に確認してください。

治療方法 通院回数の目安 治療期間の目安 期間が延びる主な理由
コンポジットレジン 1回程度 1日 虫歯の範囲が広い、複数歯を治療する
白い詰め物への交換 2回程度 1~2週間程度 技工物の製作、虫歯治療
白い被せ物への交換 2~3回程度 1~3週間程度 土台の処置、仮歯の調整
歯の神経の治療が必要な場合 複数回 数週間~数か月 根の中の感染状態、症状の経過
複数の銀歯を交換する場合 治療本数による 数週間以上 噛み合わせを確認しながら順番に治療する

複数の銀歯を白くしたい場合でも、一度にすべて外すとは限りません。噛み合わせや治療中の食事への影響を考え、左右または上下に分けて治療することがあります。結婚式や写真撮影などの予定がある場合は、希望日までに治療が完了できるか、早めに歯科医院へ相談しましょう。

銀歯を白くする費用はいくら?

銀歯を白くする費用は、保険診療か自由診療か、詰め物か被せ物か、使用する素材によって異なります。保険診療の場合は、治療内容と患者さんの自己負担割合によって費用が決まります。自由診療の場合は、歯科医院ごとに料金が設定されています。

保険診療では費用を抑えやすく、自由診療では素材や色調の選択肢が広がります。

費用を確認するときは、材料そのものの価格だけでなく、次の項目も確認しましょう。

  • 診察やレントゲン撮影の費用
  • 銀歯を外す処置の費用
  • 虫歯治療の費用
  • 歯の土台を作る費用
  • 仮歯の費用
  • 白い詰め物・被せ物の費用
  • 色調調整の費用
  • 治療後の保証
  • 破損した場合の再治療費
  • 定期的な健診や調整の費用

自由診療の料金が高い場合でも、必ずしも患者さんにとって最適とは限りません。

見た目、強度、削る量、治療する場所、今後の修理のしやすさなどを比較し、納得できる材料を選びましょう。

なお、虫歯や噛む機能を回復するための治療は医療費控除の対象になる場合があります。一方、見た目の改善だけを目的とした治療は対象にならないこともあるため、詳しくは税務署などへ確認してください。

銀歯を白くすることに関するQ&A

Q1.銀歯は保険で白くできますか?

歯の位置や噛み合わせ、歯の残っている量などの条件によっては、CAD/CAMインレーやCAD/CAM冠を保険で使用できる場合があります。すべての銀歯が対象になるわけではないため、現在の適用条件と歯の状態を確認して判断します。

銀歯を保険で白くできる場合はありますが、診察後の判断が必要です。

Q2.銀歯を白くすると必ず歯を削りますか?

銀歯を外すときや、新しい材料に必要な厚みを確保するときに、歯を削ることがあります。虫歯が見つかった場合は、感染した部分も取り除く必要があります。削る量は治療方法や歯の状態によって異なります。

まったく削らずに交換できるとは限らないため、治療前に確認しましょう。

Q3.銀歯はすべて白く交換した方がいいですか?

銀歯が歯に適合しており、内部の虫歯や症状がない場合は、急いで交換する必要がないこともあります。見た目の希望と、交換によって健康な歯を削る可能性の両方を考えて判断します。

銀歯という理由だけでなく、歯の状態を確認して交換を決めましょう。

Q4.セラミックにすれば虫歯になりませんか?

セラミック自体が虫歯になることはありませんが、セラミックと天然歯の境目には虫歯ができる可能性があります。治療後も歯磨きやデンタルフロスを続け、歯科健診で境目を確認することが必要です。

白い材料へ交換しても、天然歯の部分には虫歯予防が必要です。

Q5.銀歯を外したら大きな虫歯が見つかることはありますか?

銀歯の境目から内部へ虫歯が進み、外した後に広がりがわかることがあります。虫歯が大きい場合は、予定していた詰め物から被せ物へ変更したり、歯の神経の治療が必要になったりする場合があります。

治療方法が変更になる可能性も含め、事前に説明を受けましょう。

まとめ

銀歯は、歯の状態や噛み合わせなどの条件に応じて、保険診療または自由診療の白い詰め物・被せ物へ交換できます。

白くする方法には、コンポジットレジン、CAD/CAMインレー・CAD/CAM冠、セラミック、ジルコニアなどがあります。それぞれ、見た目、強度、適用できる範囲、費用が異なります。

条件を満たせば、保険診療で銀歯を白くできる場合もあります。費用を抑えて見た目を改善したい方には有力な選択肢ですが、すべての歯へ適用できるわけではありません。

自由診療のセラミックやジルコニアは、色調や強度の選択肢が広がります。ただし、自由診療だから必ず長持ちする、セラミックに替えれば虫歯にならないというわけではありません。

銀歯を白くする際には、次の点を確認しましょう。

  • 現在の銀歯に隙間や虫歯がないか
  • 保険診療の白い材料を使用できるか
  • 詰め物と被せ物のどちらになるか
  • 交換する際にどの程度歯を削るか
  • 噛み合わせに適した材料はどれか
  • 歯ぎしりや食いしばりへの対策が必要か
  • 治療費に何が含まれているか
  • 治療後の保証や再治療の条件はどうなっているか

銀歯の見た目が気になることは、決して小さな悩みではありません。毎日鏡を見るたびに気になったり、笑うときに口元を隠したりしている場合は、白い歯へ交換することで心理的な負担を軽くできる可能性があります。

一方で、状態のよい銀歯を外すと、健康な歯を削ることがあります。そのため、銀歯は危険だからすべて外す、白い材料なら必ず優れていると単純に考えるのではなく、現在の歯の状態と患者さんの希望を合わせて判断することが大切です。

当院では、見た目だけでなく、残っている歯の量、虫歯の有無、噛み合わせなどを確認し、保険診療と自由診療の選択肢をご説明します。

銀歯を白くしたい方や、交換した方がよいか迷っている方は、まず現在の銀歯と歯の状態を歯科医院で確認してみましょう。

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