インプラント

先天性欠如歯はインプラントで補える?

先天性欠如歯はインプラントで補える?

先天性欠如歯は、生まれつき一部の永久歯が存在しない状態のことで、多くの場合、治療を行わないと咀嚼に問題を引き起こし、審美的にも良くないため何らかの治療をおすすめします。治療方法にはブリッジ、部分入れ歯、歯列矯正、インプラントなどがあり、ここでは主にインプラント治療についてご説明します。

先天性欠如歯とは何か?

先天性欠如歯は、生まれつき一部の永久歯が欠損していて生えてこない状態を指します。この状態は、遺伝や発育の障害が原因で起こることが多く、乳歯が存在していても、その後に生える永久歯が存在しない場合があります。

一般的に第二小臼歯や第二大臼歯に欠損が起こることが多いです。稀に乳歯に欠如がみられるケースもあります。

先天性欠如歯の原因

先天性欠如歯の主な原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因が大きく関与していると考えられています。特定の遺伝子の異常や親からの遺伝が影響しているケースが多く報告されています。さらに、胎児期の環境や母親の健康状態も、胎児の歯の発育に影響を及ぼす可能性があります。

先天性欠如歯がよくみられる場所

先天性欠如歯が特に多く見られるのは第二小臼歯(第二乳臼歯の後に生えるべき永久歯)と第三大臼歯(親知らず)です。これらの歯が欠損していることが一般的に多く報告されています。

先天性欠如歯の診断

先天性欠如歯は通常、歯科医師による口腔内検査とレントゲン検査によって診断されます。子供が特定の年齢に達しても一部の永久歯が生えてこない場合、歯科医師はレントゲン撮影などを行って、欠如している歯の正確な数と位置を特定することができます。

先天性欠如歯の治療

先天性欠如歯の治療は、その数と位置、患者さんの年齢やお口の中の健康状態によって異なります。一般的な治療法には、歯列矯正によって隣接する歯を移動させる、ブリッジや部分入れ歯による欠損部の補填、そしてインプラントによって欠損している歯を人工的に補う方法があります。

先天性欠如歯の有無は、子供の早い段階で発見することが重要であり、適切な時期に治療を開始することで、将来的に口腔内に起こる問題を予防することができます。

先天性欠如歯の治療方法

先天性欠如歯で歯がない部分をおぎなうには、4つの方法が考えられます。

  • インプラント
  • 歯列矯正
  • ブリッジ
  • 部分入れ歯

1. インプラント治療

インプラント治療は、歯が欠損している部分の顎骨に人工歯根を埋め込み、その上に上部構造(被せ物)を装着する方法です。この治療は自然な見た目と機能を回復させることが出来ます。

インプラントはブリッジとは違って隣の歯を削る必要がないため、他の歯への影響も最小限に抑えられます。また、入れ歯を使っていた方はよく噛めるようになります。ただし、インプラント治療を行う二は骨の成長が止まっている必要があるため、未成年の方には行えません。

インプラントは保険のきかない自由診療です。

2. 歯列矯正

歯列矯正は歯を少しずつ移動させて最終的に正しい噛み合わせと歯並びに整えていく治療法です。先天性欠如歯の位置によって、歯列矯正で歯のないスペースを閉じていきますが、欠如歯が多い場合は歯列矯正での治療が適切でない場合もあります。

子供の歯列矯正は顎の骨がやわらかいため、歯が動きやすいという特徴があります。10代のはじめ頃に先天性欠如歯が見つかったという場合は、歯列矯正を選択肢の中に入れても良いと思います。

ただし、欠如している歯が複数ある場合は、歯列矯正では全てのスペースを埋められない場合もあります。

歯列矯正は保険のきかない自由診療です。

3. ブリッジ

ブリッジとは、先天性欠如歯で空いた隙間の両隣の歯を削って、連結された被せ物を取りつけることで歯を補います。ブリッジ治療のメリットは、治療がシンプルなため治療期間が短く済むという点と、違和感が少ないという点です。

しかし、ブリッジ治療を行うためには、被せ物を支える両隣の歯を削らなければならないため、削った歯が虫歯や歯周病になりやすいというデメリットがあります。

ブリッジは被せ物の素材によって保険治療か自費診療かが決まります。

4. 部分入れ歯

欠損部分の隙間を埋めるために部分入れ歯を装着することも可能です。部分入れ歯は治療期間が短く、使用する材料によって保険診療と自由診療のものがあります。

自由診療の部分入れ歯は保険の入れ歯と比べると装着感が良く、見た目もきれいですが、入れ歯の噛む力は天然歯の半分程度ですので、硬いものはあまり噛めません。

インプラントで先天性欠如歯を治療するメリット

インプラントで先天性欠如歯を治療するメリットは、以下のようなものです。

1. しっかりと噛める

インプラントは人工歯根を顎骨に埋入して固定するため、天然歯のような噛み心地を実現出来ます。ブリッジや部分入れ歯は歯根部分がないため、噛む力が弱くなります。

2. 審美性が高い

インプラントは審美性が大変高く、天然歯と見分けがつかないくらいきれいな歯が入ります。セラミックで上部構造を作製すると隣の歯と色を合わせることが出来ます。

3. 他の歯を削ったり傷めたりしない

欠損部分をブリッジや部分入れ歯で治療した場合、ブリッジや部分入れ歯は歯根部分をもっていないため、他の歯で支える必要があります。例えばブリッジは隣の歯を削らなければならず、部分入れ歯は隣の歯にバネを引っ掛けて安定させます。

これらによってブリッジや部分入れ歯の支えとして使われる歯は、大きな負担がかかり、歯の寿命が縮んでしまいます。インプラントの場合は人工歯根で自立しており、支えの歯を必要としないため、他の歯を守ることに繋がります。

先天性欠如歯を治療しない場合

先天性欠如歯をそのままにしておくと、さまざまな影響を及ぼす可能性があります。

1. 咀嚼機能の障害

永久歯が欠損していると、食べ物をしっかり噛んで食べることが困難になります。しっかり噛み砕かずに食べ物を飲み込むことになる為、消化不良や栄養吸収の問題を引き起こす可能性があります。また、硬い食べ物を避けることで食事の内容が限られてしまい、栄養の偏りが生じることもあります。

2. 発音の問題

特に前歯に欠損歯がある場合、発音に影響を及ぼすことがあります。前歯がないとS音やT音などの発音が正確に行えなくなり、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。

3. 審美的問題

歯が欠損していることは、歯の位置によっては見た目に大きな影響を与え、人によってはコンプレックスになることがあります。特に特別なイベントや、人前で話す時に、見た目に対する不安からストレスを感じることがあります。

4. 歯列の移動と咬合の問題

欠損歯があると、隣接する歯が少しずつ空いたスペースに移動し始めることがあります。そのままにしておくと歯並びが乱れ、不正咬合になる可能性があります。噛み合わせの問題は顎関節に負担をかけ、顎関節症の原因となることもあります。

5. 骨の退縮

歯が存在しないと、その部分の顎骨が噛む時の刺激を受けないために退縮を起こすことがあります。長期間にわたって骨が失われると、他の歯に悪影響を及ぼすことがあります。

6. 健康への影響

お口の中の健康は全身の健康と密接に関連しています。適切な咀嚼が行えないために栄養不良が起こると、身体全体の健康にも影響を及ぼす可能性があります。また、歯並びや噛み合わせのために顎のずれが起こると、頭痛や首の痛みなど、他の健康問題を引き起こすこともあります。

これらの問題を避けるためにも、先天性欠如歯のある方は早期に歯科医師に相談し、治療をすることによって、これらの問題を未然に防ぐことができます。

先天性欠如歯はインプラントで補える?に関するQ&A

先天性欠如歯とは何ですか?

先天性欠如歯とは、生まれつき一部の永久歯が欠損している状態を指します。遺伝や発育障害が原因で起こり、乳歯が存在していても永久歯が生えないことがあります。特に第二小臼歯や第三大臼歯に欠損が見られることが多いです。この状態は、咀嚼機能や審美性に影響を与えるため、治療が必要です。

先天性欠如歯の治療方法にはどのようなものがありますか?

先天性欠如歯の治療方法には、インプラント、歯列矯正、ブリッジ、部分入れ歯の4つがあります。インプラントは人工歯根を埋め込む方法で、他の歯に影響を与えません。歯列矯正は歯の位置を調整しますが、欠如歯が多い場合には適さないことがあります。ブリッジは隣接する歯を削って補う方法で、部分入れ歯は取り外し可能な補綴装置です。

先天性欠如歯を治療しない場合、どのような問題が生じますか?

先天性欠如歯を治療しない場合、咀嚼機能の障害、発音の問題、審美的問題、歯列の移動と咬合の問題、骨の退縮、全身の健康への影響が生じる可能性があります。欠損した歯があると食べ物をしっかり噛めず、消化不良や栄養吸収の問題が起こるほか、発音が難しくなり、見た目にも影響を与えます。また、歯列の乱れや顎骨の退縮が進行し、全身の健康に悪影響を及ぼすことがあります。

まとめ

先天性欠如歯の治療法には数種類ありますが、インプラントが特に注目される理由はその審美性と機能性にあります。インプラントは天然歯に近い機能性と審美性をもち、他の歯を傷つけることなく欠損部を補うことができます。どの治療法が適切であるかは、患者さんのお口の状態によって違いますので、まず歯科医院にご相談ください。

先天性欠如歯に対するインプラント治療については、以下のような知見が得られています。

1. [Buatois, 2009] によると、先天性欠如歯に対するインプラントは審美的で持続的な解決策となる可能性があります。ただし、インプラント治療は多角的な視点からの評価が必要であり、骨や歯肉の状態、歯の配置に対する準備などが重要であるとされています。

2. [Thilander et al., 1994] では、インプラント治療により、先天性欠如歯の問題が改善されるケースが示されています。ただし、患者の歯や骨の成長状態に応じた治療計画が必要で、さらなる成長によりインプラントの位置が変わる可能性があることにも注意が必要です。

結論として、先天性欠如歯に対するインプラント治療は有効ですが、治療にあたっては患者の成長状態や歯の位置、骨や歯肉の状態を考慮した多角的なアプローチが必要です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科
院長 竹田 亮

2007年 国立長崎大学歯学部卒業。

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梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック