矯正歯科

矯正のゴムかけは必要?

矯正のゴムかけは必要?

矯正でゴムかけをしなければならないと指示を受けると面倒と思われるでしょう。ゴムかけはどんな理由で行うのか、どんな効果があるのかについて、詳しくご紹介いたします。

矯正のゴムかけとは

歯列矯正では上顎、下顎それぞれに矯正器具を装着します。治療の途中で必要性を感じた場合、上顎と下顎をゴムで結び付け、ゴムの特徴である引っ張られて戻ろうとする弾性で歯を移動させ、噛み合わせの調整を図る処置がゴムかけです。矯正で行うゴムかけのゴムは、よく見る輪ゴムよりも直径は5mm程度と小さく、顎間ゴム、もしくはエラスティックゴムと呼ばれる医療用のゴムです。

ゴムの種類を教えて

矯正治療で使用されるゴムは、どのような歯並びの問題化によって、使用するゴムが異なります。ゴムの種類は主に4つです。

  • 2級ゴム
  • 3級ゴム
  • 台形ゴム
  • クロスゴム

2級ゴム

出っ歯(上顎前突)の方に対して使用するゴムです。上顎の前歯が出ているため犬歯に引っ掛けて下顎は第一大臼歯に引っ掛けるケースが多く、上顎の前歯を引く力が働きます。

3級ゴム

受け口(下顎前突・反対咬合)の方に対して使用するゴムです。下の前歯が出ているため、第一大臼歯に引っ掛けて下顎の犬歯に引っ掛けるケースが多く、下顎の前歯を引く力が働きます。

台形ゴム

お口が閉じられない(開咬)の方に対して使用するゴムです。奥歯を噛むと前歯が閉じられないため、上の前歯と下の前歯をゴムで結んで縦への力が働き、上下の前歯の隙間をなくすので垂直ゴムと呼ぶ医院もあります。

クロスゴム

正常の噛み合わせは上の前歯が下の前歯より少し前に出ている状態です。交叉咬合(クロスバイト)は下の前歯が上の前歯より一部出ているため、同じ役割の上下の歯の表側、裏側にゴムを結び、噛み合わせを改善します。

ゴムかけのやり方

  • ブラケットと呼ばれる突起を歯の表面に付け、ブラケットの中にワイヤーを通すマルチブラケット矯正(ワイヤー矯正)
  • アタッチメントと呼ばれる突起を歯の表面に付け、マウスピースを交換しながら行うインビザライン矯正(マウスピース矯正)

どちらの矯正治療でもゴムかけを行うケースがあります。

ワイヤー矯正

  • ブラケットに引っかかりがある部分にゴムを掛ける
  • ワイヤーを曲げた部分にゴムを掛ける

インビザライン矯正

  • 上顎に近心用フックがあるマウスピースを装着してゴムを掛け、下顎の歯にボタンを付け、ボタン部分をカットしたマウスピースを装着

ゴムはどれくらい使用できる?

食前や歯を磨く際に矯正器具に付けたゴムを外します。外したゴムはそのままゴミ箱へ捨ててください。一度使用したゴムをずっと使うことは衛生上よくありません。必ずゴムかけをするときは新しいものを使用しましょう。

ゴムかけをしてどんな効果がある?

ゴムかけを行うとどのような効果があるのか、主に挙げられるのは下記のとおりです。

  • 歯を抜いた部分を閉じる役割をしてくれる
  • 前歯の真ん中(正中)のずれや、噛み合わせの改善も行える

歯並びへの影響

矯正器具のゴムかけは不正咬合の歯並びを正しい位置に並べるために導く補助装置です。歯並びを綺麗にすると、見た目の美しさを手に入れるだけではなく、虫歯や歯周病を起こしにくい清掃しやすい歯並びを作り出せます。また、歯並びが整うと、発音が明瞭に行えます。

咬み合わせの改善

噛み合わせが悪い状態や、歯の不正咬合をしっかり治療すると、顎や顎関節の健康をサポートできます。良い噛み合わせより、食べ物を効率的に噛むことができ、顎関節への負担を減らすことができます。

まとめ


矯正でのゴムかけは歯の移動を促進したり、抜歯の隙間をふさいだりという歯列の改善はもちろん、噛み合わせを改善するために行います。ゴムかけはさぼらずに担当医から指示があるまで行いましょう。最終的には美しい笑顔と機能的な咬み合わせを実現するための重要な手段です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科
院長 竹田 亮

2007年 国立長崎大学歯学部卒業。

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梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック