こども

子供の歯の汚れの原因は?

子供の歯の汚れの原因は?

梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 竹田 亮

子供の歯が汚れていると心配になるパパやママは多いでしょう。今日は、子どもの歯の汚れの原因や、歯を白く改善する方法まで詳しくご紹介いたします。

子供の歯の汚れの原因は?

お子さんの歯が少し汚れているけど、なんか良い治療法はないのでしょうか。歯の汚れ、もしくは歯が汚れて見える原因は、下記の通りです。

生えかわりの永久歯はエナメル質が薄く、黄色く見える

専門的に幼若(ようじゃく)永久歯と呼ばれる生え変わったばかりの永久歯は、歯の根(歯根)などが成熟して生えた(萌出)わけではありません。そのため、エナメル質も薄く未成熟な歯質であり、黄色味が強い象牙質が透けてしまい、歯が汚れていると感じる保護者さんも多いと思います。

食べ物や飲み物の色素沈着で茶渋汚れが起きた

食事やおやつの際に、色素の強い食品や飲み物を食べたり飲むことが理由です。ぶどうジュースやカレーライス、ココアやケチャップ、チョコレート等、お子さんが好きそうなものにも色素の強い飲食品は、存在します。歯磨きが不十分ですと、色素のポリフェノールと口腔内に存在するペリクルというたんぱく質は、ステインとなります。歯の表面に着色汚れ(ステイン)となってしまうため、お口をゆすぐなどでは落とすことはできません。

前歯を打ったことで神経(歯髄)が死んでしまい変色した

外傷や転倒により前歯を強打し、外からの力がかかることで、神経(歯髄)が痛んでしまうという状態です。その時には気づかず、後から歯の内側が内出血を起こし、茶色や黒色に変色するということが起きます。

虫歯で歯の一部が白濁、もしくは穴が開き茶や黒に変色した

虫歯菌が表面に付着し酸を排出すると、エナメル質が脱灰を始めた段階では、少し濁った白さになります。これが、初期むし歯の状態です。食後の歯みがきや、唾液の自浄作用により、初期むし歯は再石灰し、元の状態に改善します。ところが、セルフケアが不十分ならばむし歯は進行し、象牙質にまで達し、小さな穴や茶色や黒の変色を起こします。

エナメル質形成不全症であるため、変色を起こしている

20%弱の割合で、エナメル質形成不全である子供がいます。健康な方のエナメル質に比べて柔らかく黄色みや茶色がかっています。通常は、白く輝くエナメル質ですが、それに比べて脆く、輝きがない状態です。胎児期に栄養が不十分であったら、左右対称にエナメル質形成不全を起こしますし、外傷や虫歯が理由であるならばその影響を受けた歯のみにエナメル質形成不全となります。

エナメル質形成不全症の方は歯質が大変弱いため、奥歯でエナメル質形成不全の場合、むし歯になりやすいリスクがあります。むし歯にかかると、あっという間に象牙質や神経まで到達するので注意が必要です。

参照先:富山大学

歯の汚れを除去できる?

では、どうすれば、子どもの歯の汚れをきれいに取り除くことができるでしょうか。

自宅で行える対処法

着色の可能性のある食品や飲み物をなるべく避ける

歯の着色というトラブルを避ける点においては、なるべく避けるのが望ましいです。とはいえ、カレーライスなどお子さんが好きな食事でしょうから、すべて避けるというのは難しいでしょう。

食べた直後にしっかりと歯ブラシで歯を磨く

どんな色素の強い食べ物であっても、きちんと歯ブラシで磨ければ歯の表面にステインとして残ることはありません。白い歯にしようとお子さんにいい着替え、食べたり飲んだりしたら歯を磨くという習慣をつけましょう。

歯科医院で行う対処法

自宅でしっかりとセルフケアを行っているお子さんでも、定期的に小児歯科のある歯科医院へ通院することが望ましいです。

歯科医院の定期検診に通院し、クリーニングを受診する

歯の表面に付着したステインは、ブラッシングで除去することができません。国家資格を持つ歯科衛生士のクリーニングを受け、歯肉や歯周ポケットにいる歯石や歯垢(プラーク)を取り除いてもらい、清潔な歯周組織にしてもらいましょう。

虫歯が原因の歯の汚れは治療を行う

一般の方が歯を見て、これは虫歯による着色か、茶渋などの汚れかというのは見分けにくいケースもあります。むし歯は早めに治療を行うべき細菌感染症です。放置しておくと痛みや腫れ、膿や口臭などが生じ、最終的に歯が抜けてしまいます。乳歯は永久歯と比べてエナメル質が薄いという特徴がありますので、大切な歯を守るためにも、早く歯医者さんへ通院することをおすすめします。

<h4外傷やエナメル質形成不全の歯には被せ物治療をする

お子様の年齢にもよりますが、永久歯が折れたり割れたりして変色を起こした場合は、セラミック治療が妥当でしょう。オールセラミック・ジルコニアセラミックの被せもの(クラウン)や、前歯のみならば歯を削ってセラミックの板を貼るラミネートべニアという治療法になります。

乳歯の場合は経過観察でと診断される場合もあります。ただ、永久歯が生えてくるからクリニックへ行かなくても大丈夫と放置するのは絶対にやめましょう。

子供の歯の汚れの原因に関するQ&A

子供の歯が汚れている原因は何ですか?

子供の歯が汚れる原因は、幼若永久歯のエナメル質の薄さによる黄色味、食べ物や飲み物の色素沈着、前歯の外傷による神経の死と変色、虫歯による白濁や穴の開きと茶や黒の変色、およびエナメル質形成不全症による変色などが挙げられます。

食べ物や飲み物の色素沈着による歯の汚れはどうして起きるのですか?

食べ物や飲み物の色素の強い成分が歯に付着し、ポリフェノールや口腔内のたんぱく質と反応してステインとなります。これにより、歯の表面に着色汚れが生じ、茶渋のような色素沈着が起きます。

歯の汚れを除去する方法はありますか?

自宅で行える対処法としては、着色の可能性のある食品や飲み物を避けることや、食後にしっかりと歯を磨くことが重要です。また、歯科医院での定期的な検診やクリーニングも効果的です。

まとめ

歯のキャラクター
着色汚れが原因の子供の歯の汚れを改善するには、色素の多い食べ物を出す回数を少し減らしたり、毎食後に歯ブラシで歯磨きを行うという日常習慣が大切なポイントになります。定期検診の際にクリーニング後のフッ素塗布で、歯質を強くし、虫歯になりにくい歯にすることができます。お子様のお口のことでお悩みがあれば、一度お気軽に歯科医院へご相談ください。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科
院長 竹田 亮

2007年 国立長崎大学歯学部卒業。

▶プロフィールを見る

梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック