矯正歯科

インプラントがあっても矯正治療は出来る?知っておきたい注意点と工夫

インプラントがあっても矯正治療は出来る?

インプラントがあると矯正治療は出来ないの?

「インプラントを入れていると矯正治療は出来ないの?」と疑問に思う方は少なくありません。結論からお伝えすると、インプラントがあっても矯正治療は可能です。ただし、治療方法には制限や工夫が必要です。

この記事はこんな方に向いています

  • すでにインプラントを入れていて矯正治療を検討している方
  • インプラント治療後に歯並びが気になり始めた方
  • 矯正治療とインプラント治療の両立に不安を抱いている方

この記事を読むとわかること

  1. インプラントがある状態で矯正治療が可能かどうか
  2. インプラントが矯正治療に与える影響
  3. インプラントを入れる前後で矯正治療をどう考えるべきか
  4. インプラントを支点として活用する方法や注意点

 

インプラントがあると矯正治療は出来ないの?

インプラントが入っていても矯正治療は不可能ではありません。ただし、インプラント自体は骨としっかり結合しているため動かすことはできず、動かせるのは天然の歯だけです。

そのため、矯正治療の計画は「インプラントは固定されたまま、周囲の歯をどのように動かすか」を考える必要があります。場合によっては治療の難易度が上がることもありますが、矯正専門医と相談することで最適な治療法が見つかります。

インプラントがあっても矯正治療は可能ですが、動かせるのは天然の歯のみです。治療計画に工夫が必要です。

なぜインプラントは動かせないの?

天然の歯は歯根膜というクッションの役割を持つ組織があるため、矯正装置の力を加えることで少しずつ動かすことが可能です。しかしインプラントには歯根膜がなく、顎の骨と直接結合して固定されます。そのためインプラントを動かすことはできず、矯正治療の際には「動かない歯」として扱われます。

この仕組みを理解しておくことで、インプラントが矯正においてどのような影響を与えるかイメージしやすくなります。

インプラントは骨と結合しているため動かせません。矯正で動かせるのは天然歯だけです。

インプラントがある場合の矯正治療の工夫とは?

インプラントがある場合の矯正治療の治療計画では、インプラントの位置を考慮したうえで歯並びを整えていくような工夫が必要になります。周囲の歯を動かす際には、インプラントの存在が制約となる場合があります。矯正医は以下のような工夫を行います。

  1. 治療計画の変更 → インプラントの位置を基準に歯の移動方向を調整します。
  2. 補助装置の活用 → マウスピース矯正や部分矯正など、適応に応じた方法を選択します。
  3. 最小限の歯の移動 → 審美的または機能的に必要な部分だけを動かす治療を選ぶこともあります。

こうした工夫により、インプラントがある状態でも矯正治療を進めることが可能です。

インプラントの位置を考慮した治療計画や補助装置の活用で矯正治療は可能です。

インプラントを支点として利用できることはある?

動かせないという特性を逆に活かし、インプラントを矯正の固定源(アンカー)として利用できることがあります。動かしたい歯を効率よく移動させるために、インプラントを支点にワイヤーやゴムをかける方法です。これにより、従来の矯正治療では難しかった歯の移動が可能になることもあります。

ただし、インプラントがどの位置にあるかによって適応できるかは異なります。

インプラントは動かせませんが、矯正治療の固定源として活用できる場合があります。

インプラント治療と矯正治療はどの順番で行うのが良い?

一般的には、矯正治療を先に行い、その後にインプラントを入れるのが理想です。なぜなら矯正治療で歯の位置を整えた後にインプラントを埋入した方が、噛み合わせや見た目を最適な形にできるからです。

逆にインプラントを先に入れてしまうと、その位置が動かせないため矯正治療の自由度が下がります。すでにインプラントが入っている場合でも治療は可能ですが、歯科医師との綿密な相談が必要です。

しかし、既にインプラント手術済みの場合は、動かないインプラントの位置を基準に他の歯を移動させて歯列を整えていく方法を考えねばなりません。

矯正治療を先に行い、その後インプラントを入れるのが基本的に望ましいです。

インプラントがある状態で矯正治療を検討する際の注意点は?

インプラントがある状態で矯正治療を始める場合、以下の点に注意が必要です。

  1. 治療可能かどうかの診断 → 矯正専門医による正確な診断が不可欠です。
  2. 治療計画の制約 → インプラントがあると、すべての矯正方法に対応できるわけではありません。
  3. 口腔内環境の維持 → インプラント周囲炎を防ぐため、歯磨きや歯垢の管理を徹底する必要があります。
  4. 将来的な治療計画 → 矯正治療後のインプラントのメンテナンスや噛み合わせの確認が重要です。

これらの注意点を理解した上で、治療を受けることが望ましいです。

矯正治療の前に専門医の診断を受け、インプラント周囲の管理を徹底することが重要です。

まとめ

インプラントがあっても矯正治療は可能だが専門的判断が重要

インプラントがあると矯正治療は難しいと感じる方もいますが、実際には治療は可能です。ただし、インプラント自体は動かせないため、治療計画には制約が生じます。その一方で、インプラントを固定源として利用するという利点もあります。

矯正治療とインプラント治療をどの順番で行うかも結果を大きく左右するため、矯正専門医とインプラント治療に詳しい歯科医師が連携して診断を行うことが重要です。

インプラントがあるからといって矯正をあきらめる必要はありません。正しい知識と専門家のサポートを受ければ、より理想的な歯並びと噛み合わせを実現することが可能です。

インプラントがあっても矯正治療は可能ですが、専門医の診断と適切な計画が欠かせません。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科
院長 竹田 亮

2007年 国立長崎大学歯学部卒業。

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梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック